第57回定期総会　兵庫会会長挨拶

ご挨拶

私が、兵庫会会長として意識してまいりました、公認会計士業界の多様性は、以下の三点であります。

一点目は、「職業種類の多様性」であります。従来、公認会計士の職業種類は、監査、税務、コンサルティングと言われていましたが、組織内公認会計士、社外役員公認会計士として活躍する会員が増えております。
また、新型コロナウィルス感染症拡大で苦境に陥った事業者向け実質無利子・無担保融資（いわゆるゼロゼロ融資）の返済が本格化しましたが、業績が改善せず、破綻に追い込まれる中小企業が増加しております。地域経済の活性化のために、公認会計士の知見を活かした事業再生コンサルティングが注目されています。

二点目は、「監査対象や保証対象の多様性」であります。非営利分野では、公益法人、社会福祉法人、医療法人等への会計監査の導入が制度化され、また、地方公共団体の包括外部監査制度も地域に根付いてまいりました。トピックとしては、監査法人等が気候変動等を含むサステナビリティ（持続可能性）情報に対する保証業務の担い手となることが検討されております。

三点目は、「女性公認会計士の活躍」であります。兵庫会では2024年５月31日現在175名（17.2%）の女性会員・準会員が活躍されています。
日本公認会計士協会では、2030年度までに公認会計士試験合格者の女性比率を30％へ上昇させること、2048年度（公認会計士制度100周年）までに会員・準会員の女性比率を30％へ上昇させることをＫＰＩとしております。

兵庫会の重点施策

私が兵庫会会長として、多様性を意識して掲げた重点施策五点についての実績と展望を述べさせていただきます。

一点目は、「組織内公認会計士、社外役員公認会計士の情報交換・懇親の機会の確保」であります。事業部の中に組織内会計士専門委員会と社外役員会計士専門委員会を設置し、メンバーを募集しております。昨年度は、両専門委員会において、委員会と懇親会を開催し、多くの会員にご参加いただきました。
今後も、参加される会員の皆様の専門知識の向上、業務支援につなげてまいりたいと思います。

二点目は、「ダイバーシティの推進」であります。 「ダイバーシティ推進委員会」を設置し、従来開催していた「女性公認会計士活躍の会」を発展させて、女性会員の皆様の交流の機会をつくりました。 今後も面白い企画を打ち出してまいりたいと思います。

三点目は、「C.P.A.HYOGO NEWS の紙面充実による発信力の強化」であります。
兵庫会会員・準会員へ送付するC.P.A.HYOGO NEWS の紙面充実は、多様性対応の究極であると思います。 これまでの取組としては、監査法人所属会員インタビュー「この人に聞く」、友好団体訪問インタビュー「おじゃまします兵庫会です！」、大学教授インタビュー「大学教授に聞く」、福寿会（対象：70歳以上）会員インタビュー「私が歩んだ道」をC.P.A.HYOGO NEWS に掲載いたしました。
新企画として、女性会員インタビュー「活躍する女性会計士たち」を掲載予定です。ご期待ください。

四点目は、「非営利法人に関する専門情報の収集、発信」であります。
非営利法人委員会の中に社会福祉法人小委員会、医療法人小委員会、公益法人小委員会を設置し、各小委員長が関西地区三会（京滋会・近畿会・兵庫会）で集まり、それぞれの分野の専門情報を収集、発信する体制を整えるとともに、各小委員会においてメンバーを募集しております。
新たな事業として、兵庫県社会福祉法人経営者協議会と協定を結び、2024年度より経営改善を図りたい法人に対して、社会福祉法人小委員会メンバーを紹介する取り組みを開始しました。

五点目は、「中小企業支援」であります。
事業再生コンサルティングの経験者を中心とするチーム編成を行い、兵庫県中小企業活性化協議会、兵庫県信用保証協会からの推薦依頼に適切かつ柔軟に対応できるよう、準備を進めております。

その他の活動

最後になりましたが

冒頭の標語のとおり、兵庫会役員、事務局一同、会員サービスの充実に向けて全力で会務運営に取り組み、新しい施策にもトライしてまいります。温かいご支援とご協力をいただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。